(2016年のアトリエ日記からの修正加筆版です)
CASAリメイク作家のTammyです。
2017年6月に、人生初めての着物日傘の個展をしました。
これから【個展レポ】のシリーズは、個展までの準備の様子や裏話なども書いていきます。
さて、今回は日傘は日傘でも、なぜ私が「着物」を「リメイク」した日傘にこだわるのかを少し書いてみようと思います。
日傘づくりの最初は、着物じゃなかった!?

オーダーメイドで日傘を作り始めた当初は、生地をお店で買ってきてオーダーされるお客さまが中心でした。
自分好みのおしゃれ日傘を持ちたい。
私もそうだったから、よくわかります。
それがいつ頃からか、着物リメイク日傘のオーダーの方がだんだんと増えてきました。
割合で言うと、今はオーダー日傘の素材のうち、着物:生地=8:2くらいかな。
なぜ着物リメイク日傘が増えたのか

考えられる1番の理由は、テレビで「形見の思い出の着物を日傘にリメイク」というテーマで取材を受けたからだと思います。
2015年の秋でした。
その放送は当初関西圏とその周辺だけでしたが、その後どうやら九州でも時間差で、2016年に入って放送して頂いたようです。
九州のお客さまにも見て頂けたことは、本当にまったく予期せぬ出来事でした。
オーダーと共に心が温まるうれしいお手紙やメールを何通も頂きました。
着物じゃないとダメなの?

実は制作する日傘は、素材を着物にこだわっている訳ではありません。
ただ、元々古くて美しいものに惹かれるところはありました。
ノスタルジックの世界です。
お客さまの着物を見ているうちに、美しい着物の魅力にどんどんはまってきたところはあります。
着物はやはり着物として着るのが1番望ましいと思う気持ちは変わりません。
ただ、着物のままの形ではそれこそタンスの奥に防虫剤を入れたまま、何年、何十年とその存在を忘れるくらいそのままにしておくのは哀しい。
そんな着物に、もう1度新たな命を吹き込む。
それが私の考える着物リメイクです。
理想と現実、どう折り合いをつけるか

着物の中には経年劣化で傷みがかなり進んでしまったものもあります。
なので、すべての着物が日傘にできる訳ではありません。
素材上適さないものもあります。
私も経験を重ねることでだんだんとわかってきたことが沢山あります。
アトリエをオープンスペースとして、どなたでもお越し頂き、日傘の実物を見て気軽にご質問して頂けるお店にできれば、1番いいですね。
でも、それは今の生活では、どうしても叶えられません。
だからこそ、たった2日間ですが、個展という日傘を広く皆さんにお披露目する場を設けることに決めました。
個展をするという決断は、実は今まで対面販売という形でお客さまと接した経験のない私にとっては、まさに清水の舞台から飛び降りるような気持ちです。
ワクワクもあるけれど、 未知の経験に対する不安感や恐怖心もあります。
でも、やっと一歩踏み出せました。
実際に作った日傘を見て頂き、お越し頂いた方とお話できる貴重な機会であり、また私にとって特別な経験になると思っています。
想いを形に、そして次の一歩へ

個展準備はすべて順調に進んでいる 訳じゃありません。
今回初めてトライしていることも多く、順調どころかむしろ失敗の連続で、毎日一喜一憂しては、リトライです。
でも、産みの苦しみを味わうモンモンとするようなこの経験は、きっと次の目標設定にプラスになる。
そう思っています。
またつい力が入ってしまい、長文になってしまいましたが、 昨日ふと思ったことを最後に。
「私が作り手として本当に 目指しているものは何かということ。」
単なる手芸小物ではない。
単なる日常消耗品でもない。
単なる芸術作品でもない。
私が理想とする完成品は、「アート」と「プロダクト」の間です。

美しさと機能性を兼ね備えたもの。
つまり用の美です。
それを目指しています。
まだまだ未熟で、何を言ってるんだか。
生意気言える身分か。
とお叱りを受けそうですが、目指すところは高く!
昨晩途中まで作っていた日傘、思っていたようにできていなくて、またちょっと落ち込み気味ですが、週末少し寝かして、修正ができるか、ボツにするか、再検討してみます。
そんな感じの毎日で、色々壁に当たりながらも少しずつ進んでいます。
また、時々個展準備の様子はレポしていきますね!
お楽しみに!?
以上、個展レポでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。