
(2017年のアトリエ日記からの修正加筆版です)
CASAリメイク作家のTammyです。
今日はイギリスの日傘事情について、お友達のLisaちゃんから届いたレポートをご紹介します。
ざっくり経緯をご説明すると、Lisaちゃんがイギリスへ半年ほど行くというので、「それならば現地の日傘事情を探ってきてほしい」とモニター(というか潜入調査員!?)を お願いした次第です。
我ながらなんて厚かましい人なんでしょう(汗)
それを快諾してくれたLisaちゃんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、先日届いた写真とレポの濃さに驚くと共に、改めて本当にありがたくて(泣)
Lisaちゃんてこんな方です。

まずはLisaちゃんについて!
Lisaちゃんとは、数年前のとあるランチ会で知り合いました。
Lisaちゃんは、ずばり愛の人。
ハートが熱いパッションの人。
フットワークがとっても軽くて、とってもキュートな方です。
ではでは早速、彼女の撮ってくれた写真と共に、ロンドン日傘事情リアルレポをどうぞ…

「2017年4月から10月まで英国に暮らす中で耳にした、日傘事情をお伝えします!」
国日傘事情レポ(1) イギリスの天候と、街中で日傘を使っている人たち
夏は晴れている日が多いが、いわゆる “真夏日”というのは7月に2日ほどあっただけ。
その日はさすがに扇風機が必要なほど暑く汗もかいたが、そんな日でさえ街中で日傘をさす人は見かけなかった。
一度ラベンダー畑に行った時は、インド系の女性が日よけに使っているのを見かけた。
また、ロンドンは晴れていても突然雨がパラパラと降ってくることがよくあるが、 軽い雨では傘をささない人が多いように思う。
英国日傘事情レポ(2) 西洋人の太陽とシミに対する意識
基本的に太陽の出る時間が少ないヨーロッパの国では、太陽はビタミンBを作る大切な栄養素であり、太陽は自ら浴びて楽しむものでもある。
ロンドンで暮らす20〜30代のイギリス人、EU圏内から来た女性たちに日焼けについて聞いてみたところ、サンクリームを塗る習慣があるが、シミ予防のためではなく、 肌が弱いためであって、シミは全く気にならないとのこと。
英国日傘事情レポ(3) ロンドン日傘販売状況
■ Harrods
傘売り場無し。 ハロッズグッズコーナーに雨天用の 折り畳み傘がある程度。
■ James Smith & Sons
大変格式のある傘専門店。折りたたみから日傘、杖なども販売。スタッフも良家の出の人で揃えている。
ここに日傘を持って潜伏しにいったところ作戦成功、オーナーから声をかけてくれ、 話ができました。
「とても可愛い傘だね。日本で一本1万五千円となると、もしうちでおいたら £300以上になるね。
でも日傘にそこまでのお金を払う人がイギリスにはいない。
うちも日傘はほとんど売れないよ。
また、うちはすべて手作りしているから他の商品を置いてあげられないけれど、 Liberty のバイヤーならいつも珍しいものを探しているから当たってみたらいいかもしれないよ。」 と、こちらから何もいっていないのに色々察して優しく教えてくれました。
スタッフも品があり、どの傘もなんとういうかずっしり重みがある(単に重量ということではなくて、何度も手で撫でたんだろうな、という) とても素敵なお店でした。
■ Liberty
上記オーナーが教えてくれた高級百貨店。この百貨店は珍しいものを集めて販売しているのが特徴。 顧客はホリデーに悠々行けるようなお金持ち。 もしタミーさんが将来ロンドンで挑戦したくなった時は、ここのバイヤーにまずメールを送ってやりとりしてみるのもいいかもしれない。バイヤーはいつも物珍しいものを求めているとのこと。
■ その他中級程度のデパート
日傘どころか雨傘を売ってもいないところがほとんど。傘売り場を聞いても、決まってしばらく首を傾げられる。たまに、傘と関係ないブランドショップがオリジナルで雨傘を置いていることがあるが、その場合も一本だけ置いている、という状況。
英国日傘事情レポ(4) 日傘を使う人は誰?
ロンドンの街中で日傘を使う人は皆無と言っていいかもしれない (あくまで私の感覚)。
人がたくさんいきかう街中では、傘は通行の妨げになるということもあると思う。
「じゃあ誰か使うのか?」というと、富裕層。
ホリデーに悠々行くような人たちが、旅行先で日よけやおしゃれの一つとして使うことがあるそう。
またはピクニックに行くときなど。
そのため、富裕層の女性にプレゼントとして日傘を渡すを喜ばれるそう。
一方、ヨーロピアンの友人女性達に見せたところ「綺麗ね」というものの、積極的にそれについて質問する人や欲しいという話は誰からもでず、 逆に「もし着物を使うなら、ポーチなんかの方がウケるわよ!」とアドバイスされた(笑)。
彼女達にとって全く馴染みがないもののため「別世界」という認識なのかもしれないな、と感じた。
また、国を変えて、フランスなら流行るかもしれないという意見もあった。
フランスはイギリスと違って日本の文化が好きでよく取り入れている国なので。
英国日傘事情レポ(5) どんな日傘がウケる?
ロンドンに長年住む日本女性からのアドバイス。
「こちらでは晴れているのに傘をさしていると『雨降ってないわよ』」と声をかけられてしまうので、雨天用か日傘用か明確にわかる方がいいかもしれない。
その為か、日傘の裾はレースがつけられているものが多い。
タミーさんには「ピンクやブリブリはウケないかも」と言ってしまって、確かに街中の若い女性にはそれはウケないことは確かなのだけれど、 富裕層のホリデーやプレゼント用となると、淡いピンク、白などをベースに、裾にレースをつけたほうが「日傘」と明確になるのでいいかもしれない。
レースはボリュームのあるものから、レース編みのようなスタイルなど様々。
英国日傘事情レポ(6) 最後に…
イギリス人の中でも雨傘をさす派とささない 派があって、折り畳み傘を持ち歩く人もいるのだけれど、その折り畳み傘が売られるようになったのも最近のことだそうで、また、ヨーロッパの人にとって「夏はこんがりしているのがかっこいい」という感覚があるらしく、日本のように躍起になって白い肌を守り抜く感覚はここにはほとんどないと思われます。
また、太陽を浴びることはある意味命と直結しているので、今後も一般市民が日傘を持つことはないかもしれないなと思います。
しかし、ロンドンには中東系のお金持ちの人たちもたくさんいるので、層によってとても喜ばれる品であることは間違いない!と思いました。
★ 預かった日傘は、こちらでアドバイスをたくさんくださった英国に長く住む上品な日本女性にプレゼントしました。
(外国の方にプレゼントしようと思ったのだけど、 大切にしてくれるか不安大!なので(笑))
以上
Special thanks to Lisa
異国での暮らし、きっと日々色んなことがあって忙しい中、こんなにも濃いリアルレポを書いてもらい、本当に感謝の言葉しか出ません。
ロンドンどころかイギリスそのものに行ったことがなかった私にとっては、まさに未知の世界で、かなり興味深い内容でした。
老舗の素敵な傘屋さん、お写真やLisaちゃんのレポから、長い間こだわりを持って営業されていることが十分伝わってきました。
日傘に対する現地の方々のリアクションは、概ね予想どおりです(汗)
日焼け(太陽を浴びること)や傘そのものに対する考え方や文化の違いから、やはり日傘を日常づかいしてもらうことは限りなく難しい ってことよくわかりました。
では、今後どんな形でアプローチしていくか。
それはこれからじっくりと考えていきます。
いつか私も現地に行って、自分で体当たりレポートしてみたいな。
きっと心が折れることもあるだろうけれど、 未知の世界への第一歩は、誰かがやろうと動くから「初めて」が生まれ、そしてそれに続く歴史が刻まれるものだと思います。
って自分が歴史を作るとか、そんな崇高な目標を掲げている訳ではないけどね(笑)
面白いことで世界を変えたい!
ワクワクの先に未来がある。
そう思っています。
Special thanks to Lisa♡
遠く遠く海を越えた日本から、重ねて心からの「ありがとう!」を伝えます。
Lisaちゃん、元気に帰ってきてねー!
お土産話も楽しみにしています。
以上、お客さまの声でした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。