
CASAリメイク作家のTammyです。
オーダー頂いた日傘のご紹介です。
今回は着物リメイクで、4本の日傘制作のご依頼を頂きました。
このうち1本だけ、ある事情があって表と裏の生地をひっくり返して作っています。
どれだと思いますか?
そもそも、なぜわざわざ生地をひっくり返すことにしたのか。
それにはある事情がありました。
この3本はひっくり返していません。
最初の2本は、1枚の着物からお作りしました。
柄合わせとボタンが異なります。
黒地にクレヨンで模様を描いたような雰囲気で、ちょっとユニークで可愛らしいです。
ボタンも生地の雰囲気に合わせました。

3本目は、ウール地なのですが、少し虫食いがあったり、生地が経年劣化で弱って薄くなっている部分があったため、裏にUVカット接着芯を付けて補強しています。
和のほっこりとした可愛らしさが出ている素敵な1本です。
ボタンは、生地がうっすら小豆色なので、それに合わせてトーン違いの小豆色のボタンにしました(当ブログのトップ画像参照)。
この4本目が、表裏をひっくり返している着物日傘です。

最後のこの淡い花柄の着物日傘が、実は表地と裏地をひっくり返して作った1本になります。
パッと見も、じっくり見も、あまり違和感はないかと思います。
では内側をご覧ください。
鮮やかな花柄で、元々は紺地の着物にお花がふんだんに描かれたお着物です。
お客さまのお母さまが手縫いされ、お客さまがお召しになっていたもの。
仕立て直して姪御さんの七五三にもお召しになった思い出のお着物なのだそうです。
親子でお気に入りのお着物を日傘に、とこのたびのご依頼頂きました。
ただ1つだけ問題がありました。
それは、ご自宅で手洗いをされた際に、着物から出た紺色が他の部分に染まってしまったのだそうです。
見たところ、遠目にはあまりわかりませんが、近くで見ると、確かに紺がところどころ染まってしまっています。
それも「味」や「デザイン」だと言ってしまうこともできますが、やはりご本人が気にされるようであれば、そのままお作りする訳にはいきません。
最初は、表裏を反転した上で、かつ内側にUVカット接着芯を付けてほしいというご依頼でした。
けれども、接着芯を付けることで思い出深いお着物の柄を完全に隠してしまうのも、なんだか切なく、私の方からは接着芯を付けない方法をご提案しました。
最終的に私の提案を受け入れてくださり、今回は1枚布で表裏反転の日傘が完成しました。
内側の鮮やかさがチラッと見える日傘、なかなか粋でいい具合に納まりました!(自画自賛(笑))

4本それぞれに収納袋もお付けしています(オプションです)。
収納袋は、生地の厚みやデザイン等よって多少タイプを変えますが、最近は写真のようなスナップボタンで留めるタイプが多いです。
ただ、生地が薄い場合は、巾着タイプにすることもあります。
(※収納袋の仕上がりタイプは、当店にお任せください。)
このたびは再度のご依頼どうもありがとうございました♡
オーダーメイドはもちろん、お客さまのご意向を最優先いたします。
けれど、今回のように、私なりの経験や感覚で、より素敵に仕上がる方法があると感じた場合は、別途ご提案と言う形で仕上がりのプランをご相談させて頂くこともございます。
迷っている場合や、何をどう聞いたらいいのかわからない場合も、それをそのままお問い合わせ頂いたら、一緒にじっくり考えさせて頂きます。
>>お問い合わせはこちらから
それこそ個人の作家に依頼するオーダーメイドならではのメリットだと思いますので、そのあたりはどうぞご遠慮なく♪
実は今回のご依頼は、前回のご注文から1年以上経ってのリピートオーダーでした。
前回とはまた違った雰囲気のお着物ばかりでしたので、TPOで使い分けて頂いたり、ご親族の皆さんがお使いになられたりするようです。
再びご依頼頂けるということは、また頼んでみようと私をわざわざ思い出してくださったということ。
作り手としてこんなにうれしいことはありません(泣)。
Mさま、いつも温かく見守ってくださり、どうもありがとうございます。
どうか今回も気に入って頂けますように♡
以上、作品紹介でした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。