
CASAリメイク作家のTammyです。
久しぶりに自分用の新しい日傘を作りました。
今回の日傘のイメージキーワードはこの2つ ―「Kawaii」と「フィンランド」
素材は3種類の着物を組み合わせてリメイクしました。
出来上がった日傘と新しいカメラを持って、ちょっと空想の旅に出てきました♪
久しぶりに自分の日傘を作ろうと思った理由

この日傘、実は今導入を検討している新しい部材の試作用で作りました。
柄の部分は竹製、真ん中の中棒と露先は木製の伸縮しない長傘です。
今レギュラーで取り扱っている竹製持ち手の日傘の部材よりも、ちょっと長くて大きいです。
大きさとしては、ステッキ(杖)をイメージしてもらうとわかりやすいかな。
どうしてこの部材の導入を検討しているかというと、伸縮しない分構造がシンプルなので、もしかしたら今使っているレギュラー品よりも作り手には作りやすく、かつ、使う方にも使いやすいものかもしれないと思ったから。
こういう検討はあれこれ頭で考えるよりも、まずは実際に作って、自分が使って、その使用感などを確かめてみるのが大事だなと。
だから今頃自分用をわざわざ作ったという訳です。
「Kawaii」と「フィンランド」を組み合わせてみよう!
せっかく作るのなら、今年の夏にワクワク気分で使えるものがいい。
生地はよくご依頼を頂く着物にするとして(その方が制作のシュミレーションがしやすいから)、その中でも色んな素材を組み合わせてみて、その伸び具合と部材の相性なども見てみたい。
また、最近のオーダーは渋めだったり、華やかだったり、タイプは違えど、着物らしいデザインの着物でのリメイクオーダーが多かったので、今回の自分用は敢えてその逆をしてみたい!(はい、へそ曲がりですの(笑))
で、その逆って具体的にどんなイメージなのさ?
っていうと、和の着物らしくなくて、ナチュラルで、可愛いテイストかな!?
そこで浮かんできたのが、「Kawaii」と「フィンランド」の組み合わせだったのです。
日本語の「かわいい」は、「Kawaii」として世界でも知名度があるとのこと。
とはいえ、日本人が考える「かわいい」と、世界の人がイメージしている「Kawaii」は必ずしも同じでないのかなとは思います。
今回は私の独断と偏見による「Kawaii」と、フィンランドの森や人の温かさのイメージをミックスして、リメイク日傘を作ってみました。
フィンランドの森や湖畔をのんびり散歩しながら、こんな日傘を差して歩きたい♡
もうこれって完全に空想、いや妄想の世界ですよね(笑)
フィンランドはきっと皆さんもご存知のとおり、秋から春にかけてはとても寒くて、日中の日照時間もとても少ないそうです。
その分、夏になれば「待ってました!」とばかりに太陽の下でみんな日光浴でしょう。
とすると、日本の夏とは違って、日傘なんてお呼びではないことは容易に想像できます。
が、実は最近うれしい発見が1つあったんです☆
『オンネリとアンネリのおうち』というフィンランド映画の中で発見!

フィンランド語を少しでも勉強したくて、少し前に『オンネリとアンネリのおうち』というフィンランド映画のDVDを買いました。
『オンネリとアンネリのおうち』は、フィンランドの童話が原作になっていて、主人公の2人の女の子も、出てくるお家も、インテリアも、ストーリーもとってもカラフルで可愛い映画なのですよ。
余談ですが、フィンランド語も何だか響きが可愛いの♡(限りなく主観的ですが)
その映画の登場人物の中に、とっても上品な謎の老婦人「バラの木婦人」が出てくるのですが、そのご婦人がなんとお出かけの際に、手元に日傘を持っていたのです。
婦人が日傘を開いて差すシーンはないものの、フィンランドにも日傘があること自体にひとり感動!
もちろん童話が元なのであまり現実感はないものの、爽やかなフィンランドの夏の景色と日傘は案外ミスマッチでもないのかもという希望の光が!
きっとあの映画を観た人の中で、バラの木婦人の日傘に釘付けだったのは、全世界で私だけのような気もするけれど(笑)
ともあれ、映画を観て私はこっそりとあることを決めたのです。
もしも私がフィンランドに行くのなら、自分で作った着物日傘を持って行ってみようと。
こんな日傘を作りました。
さて、お話は映画から作った日傘の話に戻ります。
今回使った着物生地は3種類です。
- 夏物の羽織(透ける素材、裏表で色が違います。表は紫色、裏は紫と黄緑の3色縞模様)
- 見る角度によって色が変わる不思議な素材の着物
- 赤紫に白の樹木模様の着物(黒のUVカット接着芯貼付)
羽織は透けるので、二重に重ねています。
それでもちょっと透けるのがまた面白い(内側から外がチラッと覗けます)。
生成り色ベースの着物も、見る角度によって色が微妙に変化するのが面白い生地です。
樹木模様の着物は、実は一昨年に個展で展示していた「凛」という作品と同じ着物です。
「凛」は、公私とも仲良くしている素敵なお友達が、気に入って使ってくれています。
>>以前こんなうれしいご感想まで書いてくれました。
私も「凛」に使った生地はお気に入りの着物生地で、着物っぽくないけれど、なぜだかノスタルジックで優しい、ホッと心休まるオアシスのような存在なのです。
日傘を1本作っても着物の生地はまだ残っていたので、今回それも使ってみようと思いました。
なかなかユニークな日傘ができたかな♪

ボタンにはもちろん、お気に入りのこぎん刺しくるみボタンを!
アクセントになるように「Kawaii」イメージのリボン柄にしました。
さて、最後に皆さんにご報告です☆

ここでブログを読んでくださるあなたにご報告があります。
今年の6月上旬、フィンランドで開催される美術賞展で展示していただく自分の作品を見に行くことをやっぱり決めました!
旅の期間は、5月30日から6月6日までの6泊8日間。
初めてのフィンランドひとり旅、しかも展示会場はヘルシンキから高速バスでも7時間近くかかる場所。
「そんなところにわざわざ作品を見に行くの!?そこまでして行きたいの?」って言われたこともあります。
「そこまでして私が行きたい気持ちの原点は何なのだろうか?」と何度も自問自答しました。
色々と心配や問題も山積みなのですが、シンプルに自分が行きたいという気持ち、ワクワクする気持ちを今回は最優先します。
初めての海外展示、どうしても自分の目で見て、もしも見てくださっている方がいたら、着物日傘を見て、どんなふうに感じるか自分で聞いてみたくて。
そして、今日ご紹介した日傘も旅に一緒に連れて行く予定です。
今回の旅は、私にとってお金には代えられない価値があります。
今このタイミングで、自分の足を運び、現地で何かを感じ取ってくることに、私なりの大義名分がある。
誰が何と思おうと、そこは恥じることも、遠慮することもないのではと思ったんです。
もちろん快く旅に行くことを認めてくれた家族のサポートなくして、私のわがままは成立しないということは百も承知です。
家族をはじめ、私に一歩前に踏み出す勇気をくれた友人たちには心より感謝しています。
今回の旅でたくさんのことを吸収して、また自分自身の成長や、繋がりのある大好きな皆さんに気づきをシェアしたり、作品に活かしていきます。
また5月の出発までにも、ちょこちょこフィンランド旅の準備や気持ちの変化、お役立ち情報など、色々シェアできたらいいな♪
まずは応援してくれた皆さんにご報告まで♡
以上、作品紹介とちょこっとお知らせでした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。