
CASAリメイク作家のTammyです。
「日傘を作ってほしいんです。でも、一体どんな生地を選んだら良いのかまったくわかりません。何を基準に選んだら良いの?」
こういったご質問を時々受けます。
好きな生地で作れると言われても 、確かに生地の種類が多すぎて、逆に迷ってしまうかもしれませんね。
そんな訳で、こだわりTammyの独自の視点も入っていますが、「手作り日傘の生地選びのポイント」 をちょっとまとめてみました。
オーダーや自分で手作りをしない場合でも、今後日傘を購入するときの参考にもして頂けると、お役に立ててうれしいです。
手作り日傘にオススメの生地
日傘を手作りしようと決めた場合、生地を選ぶ際、まずはこの3つを押さえてください。
①軽くて分厚過ぎない
→ 加工がしやすく、使いやすいから。
②自然素材(綿・麻・絹)
→ 太陽からの熱線を繊維の内側に蓄えるので、裏地まで熱を通しにくく、比較的涼しい。(⇔ 薄すぎる化繊:熱を通して暑い)
また、自然素材の方がナチュラルなかわいらしさがあり、竹や木製の持ち手ともマッチしますよ!
③伸縮性が少しだけある
→ まったく生地が伸びないと「カバーが完成したのはいいけれど、露先が親骨にとまらない」という痛い失敗をしてしまうことも(汗)
逆にこれだけは避けてください
末永くご愛用して頂くために、逆に日傘にしない方がいい生地もご紹介します。
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白色だけの生地
日傘の仕上げに紫外線をカットするスプレーを吹きかけるのですが、白色生地は白さを際立たせるために、蛍光塗料が塗ってあることがあります。蛍光塗料に紫外線カットスプレーを かけると、色むらの原因になります。
着物生地をリメイクして、日傘にすることも可能です。
反物や着物を解いて日傘にする場合は、以下のような生地は不適ですのでお勧めしません。
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刺繍が大きいもの
刺繍部分をワンポイントで入れるのは、とても素敵なのでお勧めですが、 総刺繍は畳みにくく、縫製もしづらいので不適です。 -
分厚いウール地
畳みにくく、重量感があります。 重すぎると、骨が布地の重みに耐えられなくなってしまいます。 -
伸縮性が強いニット地(絞りも含む)
制作はできますが、だんだんと生地が伸び、やがて平らになってしまいます。 -
経年劣化が激しい生地
しみや黄ばみなどは、可能な限りその部分をカットして仕立てますが、生地そのものが弱っている場合は、制作や使用時に破れてくる可能性があります。日傘は生地を引っ張って部材を取り付けますので、伸縮に耐えられる生地をお選びください。 -
淡い白系の色で無地だけのもの
汚れや黄ばみが目立ちます。
オススメ生地をテーマ別ご紹介♪
ところで、あなたは日傘に何を求めますか?
思いつくのはこの4つかな。
(1)涼しさ (2)日よけ (3)紫外線防止 (4)夏のおしゃれ
この4つのテーマ別に、よりオススメの生地を、過去の制作事例を交えてご紹介します。

★「(1)涼しさ」重視さんには?
→ 薄い色の生地、自然素材の生地がオススメ!
理由: 白系の明るい色の生地は、上からの紫外線を反射させるから。 自然素材(綿、麻、絹等)は、太陽からの熱線を繊維の内側に蓄えるので、裏地まで熱を通しにくいです。 そういう意味では、厚手生地や生地を2重にして中に空気の層を作るのもいいですね。なお、化学繊維=太陽の熱が透過して暑い、という訳ではなく、薄い化繊だと熱が透過してしまうから、暑さを感じやすいという意味です。

★「(2)日よけ」重視さんには?
→ 薄すぎる化学繊維の生地はNG!
理由:光が通過しちゃうから。 でも、そもそも「日傘=日よけ」 なのだから、これはそんなに神経質にならなくていいかも!?
ちなみに、もしも日傘を持っていなくても、市販の雨傘でもある程度は日よけとして紫外線をカットもできるらしいです。ただし、普通の雨傘にはUVカット加工が施されていないので、何もしないよりは雨傘でもさした方がマシという程度で考えてください。また、雨傘の場合は、雨が漏れないように撥水加工がなされているため、空気も通りにくく、熱がこもって暑いです。

★「(3)紫外線防止(UVカット)」重視さんには?
→ 濃い色の生地、ポリエステルの厚手素材の生地がオススメ!
理由:濃い色の生地は紫外線を吸収してくれます。 それから、自然素材より化繊(ただし 透けない素材)の方が紫外線を吸収します 。「吸収」と「反射」は逆の作用ですね! 地面からの紫外線の跳ね返りも防ぎます。でも、色に関してだけ言えば、UVカットスプレーで紫外線カットができるので、これもあまり神経質に 「日傘は絶対黒じゃないと!」って思わなくても大丈夫です。 それでも心配な方は、オプションですがUVカット接着芯を裏側にお付けすることもできますよ。

★「(4)夏のおしゃれ」重視さんには?
→ 見た目の涼しさを感じられるデザインや、TPOに合わせたおしゃれを楽しめる小物としてチョイスするのがオススメ!
理由:ただでさえ暑い夏、せめて見た目からでも涼感を取り入れてみましょう。 和柄や寒色系のカラーの生地や、浴衣から作った日傘は涼しげです。また、和柄に限らず、その日の洋服のテイストとコーディネイトして日傘選びをすると、ワンランク上のおしゃれさんになりますよ!
結局、あなたにとって最強の日傘とは?
以上、日傘選びのポイントを機能面からまとめると、最強となる日傘は
- 二重貼りの生地
- 外側:銀や白系の化繊生地
- 内側:黒系の生地
なのですが、 あれこれ機能優先で迷って頭でっかちになるよりも、まずは自分が見ているとキュンとする日傘生地を選ぶのが1番!
やっぱり「好き!」が最強だと思うのです。
以上、日傘選びのポイントを機能面からまとめると、最強となる日傘は
- 二重貼りの生地
- 外側:銀や白系の化繊生地
- 内側:黒系の生地
なのですが、 あれこれ機能優先で迷って頭でっかちになるよりも、まずは自分が見ているとキュンとする日傘生地を選ぶのが1番!
やっぱり「好き!」が最強だと思うのです。
靴や帽子のように何種類か用意して、お天気や気分で使い分けるのもいいかも。
どうぞ日傘生地を選ぶ際のご参考になさってくださいね!
それから、紫外線は上から降り注ぐだけではなく、地面の照り返しで乱反射して、下や横からも当たります。
なので、実は日傘だけでは紫外線対策としては不十分なのです。
日焼け止めをこまめに塗るなど、大切なお肌のための二重の紫外線対策はぜひなさってくださいね♡
さて、「手作り日傘の生地選びのポイント」はいかがだったでしょうか。
過去に制作した日傘の中から、ごく一部ですが具体例としてご紹介もさせて頂きました。
私自身も「傘って自分で作れるのかな?」という素朴な疑問から始まったチャレンジでしたが、気がつけば200本以上の日傘をお作りさせて頂くまでになりました。
1本1本が愛おしく、託して頂いたお客さまには改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
その後、お手元に戻った日傘のご様子はいかがでしょうか。
また良かったら、近況も教えてくださいね。
以上、Tammyの日傘の生地選びのポイントでした。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。