
CASAリメイク作家のTammyです。
この黒留袖の模様、とても不思議でしょ!
宇宙のような、深海のような、はたまた何かの抽象画のような。
あなたは何を表していると思いますか?
古い着物ですが、どの年代のものかはわかりません。
今回はこの着物を中心にいくつかの着物を組み合わせてリメイクして、1本の日傘を作りました。
私にとって初の海外展示となるフィンランド美術賞展での展示を目標に作った、私のチャレンジ作品です。
フィンランド展にチャレンジしてみようと思った理由
私の大きな夢、それはフランスのパリで着物日傘の個展をすること。
これは一生かかってもいつか叶えたいと心に温めている夢です。
しかし、いつかいつかでは、いつになるやらわからないよ!ってことで、一応具体的には50歳になるまでに、という1つの目標点は定めています。
けれども、どちらかというとその大きな夢は、何が何でも急いで叶えたいというよりは、樹が成長するように、芽が出て、枝が伸び、葉が茂り、花が咲き、いつか実がなるように、少しずつ自分が成長していく過程で、自分自身も作家として、そして人としても成熟したと思える時に叶えたいと思っています。
個展を開催するにも、資金が貯まらないと開催できないしね…
では、なぜパリではないフィンランドで、このたび美術賞展に参加してみようと思ったか。
それは、シンプルに、世界は広いのだから、まずは日本を飛び出してみたい!と思ったから。
そして、そう思った自分の気持ちと、今回のフィンランドでの展示会のタイミングがピッタリと合ったから。
今回作品参加させていただく展示会です。
『第51回欧美国際公募フィンランド美術賞展2019
(フィンランドでの展示会名 "和 Wa Kansainvälinen Japanilaisen taiteen näyttely Alajärvellä")』

欧美国際公募の美術賞展の特徴は、
- 世界各国で作品を発表出来る
- 公募展なので誰でも応募出来る
- 異文化に触れ、国際的視野が広がる
つまり作家として経験が浅く、どこの会派にも属しておらず、師匠もいない私でも、公平に作品を審査していただく機会が与えられる展示会だということ。
そして、国内審査に通過すれば、海外で自分のリメイク作品を多くの方に見てもらいたいという夢に一歩近づける。
だから、今回チャレンジしてみることにしました。
昨年の秋、たまたまそんな展示会が今年(2019年)にフィンランドで開催されるということを知ったのですが、今思えば、海外へのファーストステップ、ファーストチャレンジがフィンランドで良かったなぁと思っています。
フィンランドに行かれた方は皆さん揃って、フィンランドという国の素晴らしさと人々の温かさ、旅行者への親切さを説明してくださり、「もう1度行けるなら行きたい!」っておっしゃいます。
治安がよく、英語が通じるというのも、現地に作品を見に行ってみようと思った決め手の1つでもあります。
2019年は日本とフィンランドの外交が樹立されてからちょうど100年という節目の年というのも、きっとご縁だなと。
とはいえ、超久しぶりの海外1人旅、前に1人で行ったのが20年近く前のことなので、もう既にかなりドキドキしています。
5月末から私も現地入りして、企画展を見てきますので、またその様子もレポしますね!
フィンランドのことを色々とご存知の方、おひとりさま海外旅行を経験された方など、お勧めスポットや「これ持っていったらいいよ」とか、「こういうことに気をつけて!」などどんな情報でもいいので、教えて頂けるとうれしいです。
企画展はこんなところで開かれます。
アラヤルヴィ市のホームページとWikipediaから画像をお借りしました。
今回の美術賞展は、フィンランドの首都ヘルシンキから数百キロ離れた西スオミ州南ポフヤンマー県のアラヤルヴィ市というところで開催されます。
メイン会場はネリマルッカ・ムセオ (ネリマルッカ博物館)ですが、他にもヴィラ・ネリマルッカ、ヴィラ・ヴァイノラ、アラヤルヴィ市立図書館 ほか、複数会場で分けて作品が展示されることになる予定だそうです。
ネリマルッカ・ムセオは、フィンランドの代表的な建築家であるアルヴァ・アアルトによる建築で、他にもネリマルッカゆかりの別荘や、アアルト建築による建物が会場となります。
アラヤルヴィは小さな街ですが、アアルトが設計した建築物が、なんと19戸も点在しているのだそう!
建築物を見るのは好きなので、展示会に足を運んだ際に時間に余裕があれば、アアルト建築を見て回ろうと考えています。
同企画展のメイン会場となるNelimarkka Museoのホームページにも、今回の企画展のご案内が掲載されていました。
>>今後の展覧会(ネリマルッカ・ムセオのオフィシャルサイトより)
どうやらフィンランド語のみみたいで、私はさっぱりわかりませんが、以下のような内容のようです(google翻訳を一部修正しました)。
2019年5月29日-6月12日、ネリマルッカ博物館
春に、Alajärviは日本の芸術の大規模なレビューを見られます。この2週間の展覧会は、日本国際芸術家協会(JIAS)と 欧州美術クラブ Club des Amis de l'Europe et des Arts(CAEA)の協力のもとに開催されます。
1973年以来世界中で同様の展覧会が開催されており、今回で第51回展が開催されます。Alajärviでの展示会はフィンランドで初めて開催されます。北欧諸国では、展覧会は80年代に行われたのが最後でした。
展覧会は、フィンランドと日本の間の外交関係の100周年を記念して開催されます。
CAEAの究極の目標は芸術を通して人々をつなぐことであり、彼らの目標は芸術を通して肯定的なメッセージを広め、日本の芸術家のための新しい国際的なネットワークを作ることです。
展覧会はNelimarkka博物館、Alajärvi図書館展示ホール、およびVillaVäinöläで250以上の作品を展示しています。
展覧会の名前は、以前は日本という意味で呼ばれていた日本語の「和」を含み、日本の文化と考え方、心の安らぎ、調和と他者への敬意と助けを意味します。
木版画から着物、紙アート、書道、絵画、彫刻など様々な日本の伝統的な技法があります。 展示プログラムには公開講座、ワークショップ、書道ワークショップも含まれます。
CAEAは1972年にMAGORI Toshifumi氏によって設立され、妻のMagori Marori(CAEAの会長)と彼の息子Bumpei Magori(CAEAの学長、JIAS、東京大学の博士号)が引き続き国際展示会を開催しています。 国際的な展覧会に加えて、芸術家協会は東京の国立芸術センターとパリの伝統的な春の行事であるSalon d'Automneの一部として毎年展覧会を行っています。
私の作品のこと、ちらっとご説明します。
黒留袖は元々はこんな感じでした。

お客さまから着物等をお預かりして作るオーダーメイドの日傘の場合は、今まで色んな色や柄の着物がありましたが、写真のような黒留袖での作成依頼は今まで無かったです(黒の羽織でお作りしたことは、何度かありました)。
この着物と出会い、湧いてきたインスピレーションで作った作品から思い浮かんだタイトルは、「空に想う 空を想う」
空の向こうの銀河の彼方に、想いを馳せて。
そんな意味を込めて、このタイトルをつけました。
参加する展示会は世界巡回展であり、数十年もの開催歴がありますが、「日傘」というジャンルでは過去にエントリーはなかったとのこと。
大きく分類すると、立体造形であり、工芸品であり、布作品として、私は敢えて日傘を「アート」として提案していきたい。
絵画はキャンパスに描くアートですが、日傘は広げた生地がキャンパスそのものであり、特に着物のリメイクは、すでにあるものを組み合わせるという点でオリジナル性のあるアートだと考えています。
私は白のキャンパスに絵を描いたり、土を捏ねるところから器を作るなど、ゼロから何かを生み出すことは得意ではありません。
けれども、あるものを活かして、何か新しいものを生み出すリメイクになると、アイデアがどんどん浮かんできます。
その根底には「有限を尊び、あるものの価値をさらに広げ、持続的に高めていきたい。循環する幸せを共有したい」という想いがあります。
今回の私の作品は、日常づかいする機能性を重視した日傘とはかけ離れているかもしれません。
日傘を作る者としては異端的な立ち位置であり、ハンドメイド作家としても私のような活動の仕方をされている方はあまり見かけないかも!?
我流でいいのか、いつも自問するところではあります。
でも、視界は広く、視点は高く、思考は柔軟に!
これからも自分の世界観で翼を大きく広げていきたいです。
さて、私の感性や想いは、遠くフィンランドの地でどのように受け止められるのか。
未知のチャレンジにワクワクします!
そういえば、偶然にも今回の展示会名の「和」と新元号「令和」の「和」がシンクロしています。
「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められているそうですね。
「和」は日本そのものであり、人と人とが和やかに関わり合うという意味もありますね。
世界の人が手をつなぐ様子を表したこの Casa de Paraguas のブランドロゴにも、通じるところがあります。

微力ながら、私も日本とフィンランドの文化交流の一助になればうれしいな。
日本のいいところ、日本文化のすばらしさ、フィンランドの皆さんにふんわりアピールしてきます!
この子と一緒に♪

以上、お知らせでした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。
なお、今オーダー頂きますと、仕上がりは最短で6月末を予定しています。
今年の夏のマイ日傘デビューをご検討いただいている場合は、気持ち早めにご相談いただけるとご希望を叶えやすくなります。