
CASAリメイク作家のTammyです。
この週末は大型台風の到来で日本全国が大変なことになっていて、テレビの報道を見るたびに心穏やかでいられません。
台風の影響があった地域の一日も早い復旧と、被害に遭われた皆さまが早くいつもの生活に戻れるよう、心からお祈りしています。
台風は自然が相手なので、人間の力ではどうにもならないこともあるけれど、我が家も一昨日からできる限り台風に備え、昨日は終日家で台風一過を見守り、私はひたすら今度の作品展の準備に励んでいました。
まだまだ予断を許さない地域も沢山あるかと思いますので、どうか引き続きお気をつけくださいね。
さて、今日のブログのメインは、その準備中の作品展のお話になります。
いよいよ作品展開催まで2週間を切りました!
今月25日(金)から、母(上野町子)と私(柴田民緒)の人生初めての親子展『「和」結びの器展』が、奈良市ならまち格子の家でスタートします。
先週末のことになりますが、作品展本番の展示イメージの確認も兼ねて、奈良まで母と2度目の会場内覧と打ち合わせへ行ってきました。
今日は、今回の展覧会についての新しい情報や進捗状況、私たちが展覧会に込めた想いなどについてお話をしてみようと思います。
既に「展覧会に行ってみようかな」と予定を組んでくださっている方だけでなく、「展覧会って何のこと?初めて聞いたよ」というあなたも、お時間ありましたら、ぜひ続きを読んでくださいね。
「和」とタイトルに付いていながら、『「和」結びの器展』はスタンダードな和の枠を超えたちょっと癖の強い展覧会です。

今回の展覧会のタイトルは、母と2人で考えて『「和」結びの器展』と付けました。
このタイトルから、どんなイメージが浮かんできますか?
「和」だから、和風、日本的、日本の伝統?
「結び」だから、何か紐で結ぶの?いや、縁結びとかそっち系?
「器」だから、陶芸の土物のお茶碗とか、花瓶とかだよね?
まず、母のプチこだわりは、「うつわ」ではなく「器」なのだそうで。←この件に関しては、正直私には違いがよく分かりませぬが…
タイトルの「和」には、やはり「日本」が色濃く入っていて、
- 奈良という日本の古都での開催であること
- 母の作品ジャンルである「陶胎」も陶芸の中でも日本の伝統技法に入ること
という意味も込められています。
「結び」には、
- 紐で結ぶような作品(ちょうどDMにも使っている上の写真の作品もそうですね!)や「縁結び」のような慶び事に関連する作品も展示予定であること
- 母の作品には、蔦のように絡まって結びつくような植物のモチーフが良く使われること
も関連しています。
「器」は、確かに一般的には茶碗のような丸みを帯びた入れ物を想像するかと思いますが、、、
母は「それじゃ面白くない!」と言っているので、シンプルに「入れ物=器」だと思って頂き、会場で常識にとらわれないフリーダムな発想で生まれた器の数々を見てくださいね。
今回協力作家として展示する私の着物日傘の作品は4点。
母の作品の世界観にリンクするものを4本チョイスします。
もちろん私の日傘も、【日傘ってこういうもの】という枠にはとらわれず、見て楽しめるリメイクアートとしてお作りしています。
目下親子展に向けて、作品制作もラストスパート!
この婚礼衣装も日傘に生まれ変わります。

「この母にしてこの娘あり」と言われる所以
さて、ここからはちょっとだけ私と母の個人的なお話をしますね。
実は私と母は、子どもの時からあまり似ておらず、私はどちらかというと顔や体質、趣味嗜好がどれも父寄りだと思っていました。
が、歳を重ねるにつれて「お母さんにそっくり!」と言われることが増えてきました。
母は長年教師として定年退職まで勤め上げ、管理職をしていたのもあり、リーダー格で男勝りのバリキャリの有能な人でした。
タイプ分けして言うと、母は陰陽なら「陽」タイプ、静動なら「動」タイプ。
一方の私は、1つのことが長続きしなくて転職も多く、不器用で、どちらかというと引っ込み思案。
グループの中で長をするというよりは、地味にコツコツ1人で職人肌タイプ。
だから私は、陰陽でいうと「陰」タイプ、静動でいうと「静」タイプ。
でもね、いつの間にやら思考が変わってきたのです。
夢の実現のためなら多少のリスクも織り込み済、「出る杭は打たれてナンボだ!」というふうに。
人生は有限なんです。
だったら自分の人生は自分で能動的に作っていきたい。
そう思うと、引っ込んでばかりもいられなくて(笑)
クールにポーカーフェイスだけど、実は熱い隠れ陽タイプ!?
それが隠し切れなくなってきたから、「(言動が)母に似てきた」と言われるようになってきたのかもしれません。
気のせいか、顔や体格もちょっと母に似てきてたりして、、、これはいつも反論するけれど!(笑)
ずっと芸術畑だった母とは違い、私は美術系の学校等には行かず、今も湧き上がる感性だけで作品制作をしているようなところがあります。
けれど、今思うと、育ってきた環境の中には母が好んで集めた美しいものに触れたり、美しい風景を訪れる機会が沢山あり、それが今の私の作品制作の素地を作ってきたのかもしれません。

私たちが親子展にかける想いとは
今回の作品展、主催は上野町子です。
陶芸教室「和月」所属、東吉野村在住の上野町子の「陶胎(とうたい)」作品展です。
母は今までにグループ展の経験はあるのですが、個展は今回が人生初めてとなります。
「個展」と言ったり、「作品展」と言ったり、「親子展」と言ったりややこしいですよね。
なぜ私が色んな言い方をするのかと、その時の捉え方による違いです。
娘の私としては、今回の作品展は母の1人の陶胎作家としてのファーストステップだと考えているため、あくまでも母の作品が主役の展覧会(=個展)だと思っています。
ですから私の作品は、訪れてくださった皆さんの五感を楽しませるディスプレイでもありながら、同時にリメイク作家としてすべてを出し切る表現物でもあります。
そして、このような形で親子が協力して1つの作品展を作り上げるという意味では、やはり親子展という言い方も当てはまります。
というような趣旨で言い方がコロコロ変わってしまうため、もしも混乱を招いてしまったらごめんなさい。
母は自分の作家活動をSNSなどで発信しておらず、ホームページも持っていません。
昔ながらのアナログ発信で、電話や郵便で繋がりのある友人知人などに作品展のご案内をしています。
ここで母がこの作品展にかける想いを代弁します。
「陶胎」とは、陶器に漆(うるし)を塗って加工する珍しい技法で、工程に時間と費用がかかるため現在はほとんど作られていない物です。
現在所属している教室では、この5年間でたくさんの作品を作ることができました。
毎年、生徒作品展には出品しているのですが、自分のこれまでに作った作品を一度に展示して多くの方々に見ていただき、評価してもらいたいという気持ちになり、今回の開催となりました。
また、「陶胎」の魅力や、日本古来から使われている「漆」の良さも分かってもらいたいという思いで、微力ながらも尽力しようとも思っています。
作品展開催にあたっては、東吉野村在住の友人北村静規氏に東吉野村の自然をテーマにした写真を展示してもらいます。
私も東吉野村を愛している住民の一人として村の素晴らしい風景も見ていただきたいと協力を依頼しました。
昨今、高齢化社会に向けて、私たちはどうあるべきかというような議論がなされています。私は、どんなに年をとっても生きがいを持って前向きに生きていくことが、自分自身の健康にとっても、社会に対する貢献度という観点からも大切なことなのではないかと考えています。
私自身は、教員をやめてから、何か社会に役立ちたいという思いで、地域の老人福祉施設で週に数日働いて、それ以外は友人との交友や陶芸活動で過ごしています。
そして、今回の作品展がいったん退職という形でリタイアしても、そこからまた新たな活動をして、何かを成し遂げられるということも皆さんに知っていただきたいと思っています。
【上野町子略歴】
奈良県吉野郡東吉野村在住
1951年生まれ(満68歳)
1973年より約40年間公立中学校美術教員として勤務
現在、特定非営利活動法人東吉野村まちづくりNPO勤務
通りすがりの海外からの観光客の方々も来られるような、どなたでも気軽にお越し頂ける展覧会です!



先週の2度目の内覧では、実際の2階の作品展フロアに母と立ってみて、
「どのように作品をレイアウトしていこうか」
「どうやったらお客さまにくつろいで作品を見て頂けるだろうか」
「作品は手を触れても大丈夫?」
「日本語のわからない観光客の方にはどうご案内する?」
などなど、色んなことを想定して話しました。
そうやって話している間にも、会場には日本人だけではなく、海外から奈良を訪れた観光客と思われる方々も続々いらしていたのです。
というのも、作品展の会場である「ならまち格子の家」は、無料でどなたでも入って観覧していただける奈良市の観光施設だから。
ですから、作品展には事前にご案内をしていない通りがかりの方々にも見て頂けるようになっています。
日本語がわからない方にも作品を見て楽しんでいただけたら、すごくうれしいなぁと思います。
目下、展示作品のタイトルとジャンル(「着物日傘とは?」とか、「陶胎とは?」という基本的な説明など)については、英語訳を説明に併記すべく、必死に英訳作業に取り組んでいます。
特に「陶胎」の方は母から預かった説明文がちょっと難しくて、日本語ですら私にも分からない言葉も多く出てくるので、まずは分かりやすい日本語にご説明文をかみ砕き、その後に英訳する方がいいのかなぁと。
作品制作と並行しての作業になるので、翻訳文作成の方は夜の隙間時間を利用して少しずつ取り組んでいます。
今回の展示作品の数ですが、陶胎の方は約30点、着物日傘は4点になる予定です。
そこに北村静規さんの素晴らしい東吉野の自然の写真が数点展示されます。
私も母の作品や北村さんのお写真はまだほとんど見ていないので、とても楽しみにしているんです!
古都のレトロな「奈良」を、そして自然豊かな「東吉野」を、作品を通してゆっくりと感じ、味わっていただけたらうれしいです。

ご都合がつくようでしたら、ぜひお1人でも気兼ねなく、お友達とご一緒でワイワイも、どちらも大歓迎です!
母は会期中休館日を除く全日、私は土日と最終日の水曜日に在廊しています。
ぜひ見かけられたらお声かけくださいね♪
良かったら一緒にお写真も撮りましょう♡♡
「和」結びの器展の開催日時やアクセスなど詳細については、以下のリンクをごらんください。
以上、ちょっと小話でした!
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。
なお、今オーダー頂きますと、仕上がりは最短で12月末を予定しています。
1Dayレッスンでしたら作った日傘をその日にお持ち帰り頂けます。
>>レッスンの詳細はこちらから
※ただし、10月の作品展準備のため、9月10月のレッスン開講はお休みさせて頂きます
(※11月以降のレッスンご予約は、今からでも可能です。)
なお、当店はオーダーメイドだけでなく、着物日傘の完成品やリメイク雑貨なども、少しだけですがオンラインショップにて販売しています。
完成品なので、もちろんすぐにお使い頂けます。
オンラインショップで販売している商品は、着物をリメイク制作した私のオリジナル作品のため、すべて世界にたった1つしかないものです。
そのため、完売しましたら、同じものの再販はありません。
お時間ありましたら、ぜひ1度Online shopもご覧くださいね!