
CASAリメイク作家のTammyです。
10月25日(金)より5日間に渡る『上野町子作品展「和」結びの器』展が、先日無事終了しました!
お忙しい中、私たち親子のために時間を割いてわざわざ足をお運びくださいました皆さま、そして今に至るまで制作活動を応援してくださった皆さま、このたびは本当にありがとうございました。
私は3日のみの在廊だったので全体数は把握しきれませんでしたが、会場受付の方にお伺いしたところ、国内外から少なくとも400名以上のお客さまが作品展に足をお運びくださったようです。
今日のお話は、1つ前のブログの中間レポートを経ての同作品展総括になります。
>>中間レポートはこちらです。
遠方であったり、ご都合が合わずお越しになれなかった方にも、写真を交えた今日のレポートでぜひ会場の雰囲気を体感していただけたら、とてもうれしく思います。
なぜ親子で作品展をすることになったの?そのきっかけとは?



親子での作品展を最初にイメージしたのは、約2年前のこと。
ジャンルは違えど、芸術の分野でそれぞれが世界に向かって、自分がどこまでできるかチャレンジしてみたい。
私は着物リメイク日傘、母は陶胎漆器。
その異なる個性を持つ親子が、2人で、同じ空間でコラボ作品展をする。
もしかすると、これって世界初だよね(当たり前だけど、笑)!?
2人でだったら、とてもユニークで面白いことができるかも!?
そんな妄想話で母と盛り上がったんです。
そして約1年半前、あるイベントで私はこんな夢(叶えたいお願い事)をカードに書きました。
「Retour du Bonheur から次の1歩へ。奈良で親子展を開く。」
Retour du Bonheurというのは、初めて開催した着物日傘の個展のタイトルです。
けれどもその後、お互い忙しくて、親子展の話は何となくそのままになっていたんです。
そんなある日、確か今年の7月頃だったかな、母から突然電話がかかってきて、母は私に言いました。
「私はやっぱり個展がしたい。たくさんの方に自分の作品を見てもらいたい。だから、私個人の作品展(=個展)となるけれど、その作品展に彩りを添える意味で、娘の民緒の着物日傘も数点「協力者」として飾らせてほしい」と。
私の中でその話は忘れてしまうくらいのことだったので、唐突な母の依頼にびっくり。
でも、それだと母の思い描く個展のイメージを、母が自由に作り上げながら、私も家族の1人として、母の夢をサポートできる。
私の親子展の夢も、また当初のイメージとは少し違った形だけど、叶えることができる!
そう思って、私は母の協力作家として今回の作品展に参加することに決めました。
最初は「だったらいいな♪」という妄想レベルだったけれど、こうやって勇気の一歩を踏み出して具体的に行動を起こすと、夢は絵に描いた餅では終わらないのだな。
そうやって、私と母の夢は現実に向かって1歩1歩近づいていきました。
「ならまち格子の家」を会場に選んだ理由

会場として選んだ「ならまち格子の家」は、私の生まれ故郷である奈良県の中でも大好きな奈良町にある建築物です。
奈良町は、私が子どもの頃からよく母が遊びに連れていってくれた思い出の場所でもあります。
「いつか生まれ故郷の奈良で作品展をしてみたい」という希望はあったものの、大学に入学して以来ずっと奈良を出てしまっている私には、あまり奈良の最新の情報は入ってきません。
さて、どこのギャラリーで母の個展をしたらいいのかな?
奈良のギャラリーについて2人共あまり詳しくなかったので、まずはツテをたどって色んなギャラリーの情報を集めました。
けれども、貸して頂ける場所は奈良市内でなかったり、駅から遠かったり、イメージするよりも狭く閉鎖的な空間だったりで「ここだ!」という場所はなかなか見つかりませんでした。
そこで母は、自分が所属する陶胎教室が以前作品展を開いていた「ならまち格子の家」のことを思い出し、その場所は個人でレンタルすることができるのかどうかを教室の方に聞いてみることにしました。
それでどうやら借りることはできるらしい、という事が分かったので、「明日内覧に行きたいところがある。民緒もできれば一緒に行ってほしい」と私に突然電話がかかってきたのです。
いつも唐突な母に振り回されつつ、母の情熱に突き動かされるように、いつの間にか私も作品展へのやる気スイッチが入っていました。
ならまち格子の家は、初めて訪れた瞬間「ここだ!ここでしたい!」って思える場所でした。
和の趣ある古い町屋の雰囲気が、母と私の作品にもマッチしている。
それから、着物日傘を開いて展示しても、圧迫感がなく、広くて解放感のある空間である。 ←これ重要!
駅から遠い(近鉄奈良駅から徒歩20分)という事以外は、非の打ち所がなかったんです。
そのため、すぐに格子の家を管理している会社に問い合わせ、貸出申込をして、審査を経て(会場を借りるには色々と条件があります)、なんとか10月下旬に会場を押さえることができました。
作品展にお越しくださった皆さんにも、作品と会場の雰囲気がピッタリ合っていると言って頂きました(^^)♪
作品展後半ダイジェスト!
ではでは、お待ちかねの作品展後半の写真紹介です。
(お写真は一部、お越しいただいた皆さんからお借りしました)
ほんの一部ですが、どうぞあなたも作品展にお入りくださいませ♪
(順路に従って歩くイメージで写真を並べてみました!)
階段を上がると、右手に広がるのは、母の陶胎漆器の作品たち。










「陶胎漆器とは?」作品説明にも熱が入ります。

階段を上がって左側のゾーンは、私の着物日傘と、北室静規さんのお写真の展示コーナーです。




この後ろ姿の男性は、オーストラリアからご夫婦で日本全国をご旅行中、会場にお立ち寄り頂いたとのこと。母と親子展をしているとご説明すると「Amazing family!」そして、着物日傘「万葉」が1番好きだと言って下さいました。





お友達や公私問わずいつもお世話になっている方々、ご無沙汰していた恩師など、沢山の方が遠くからわざわざ駆けつけてきてくれました!(泣)



私と母は、作品のジャンルも世界観も異なりますが(両方コテコテでマニアック、かつ正統派を完全逸脱だという共通点はあるけれど、笑)、それを写真家の北室静規さんが、東吉野の美しい癒しの自然写真でうまく緩和してくださり、フタを開けてみると、なんとも不思議な和洋折衷&温故知新の3者の融合が実現しました!
お客様から頂いた作品展ご感想もダイジェスト紹介です!
お越し頂いたお客さまからのご感想を、ほんの一部ですがご紹介します!

民緒さんとも初めてゆっくりおしゃべりする事ができて、益々民緒さんのファンになりました💖 お母様の作品も、民緒さんの日傘も実際に拝見すると作品に込められた熱が伝わってきて、すっごい感動を味わう事ができました✨✨ 会場の町家も素晴らしくて、外国人のお客様がたくさん来られてました。 民緒さんのおかげで母と楽しい時間を過ごす事ができて、感謝してます❤️
たまたまここを訪れたんですが、初めて見る着物日傘が何とも言えず綺麗で驚きました。いいものを見せて頂きました。ありがとうございました。
格子の家の階段を上がると たみーさんの 着物日傘が、展示されていて、着物姿のたみーさんが、出迎えてくださいました。 フィンランドでショーをとられた作品の日傘も生で見られることができて、とっても奈良町の古民家に馴染み美しい雰囲気を醸し出して居ました。 素敵💫 吉野で陶芸をされてるお母様も、油絵をされておられ焼物の作品も素晴らしい芸術作品を拝見させてもらって、心和む ひとときを過ごせました。 ありがとうございます😊💗
お母様の作品に対する熱い思いが言葉から伝わってくる。そして民緒さんの傘の数々。美しい…。
お母様の漆塗りの作品は、初めてみる風合いで、興味深く拝見しました。やはり植物柄が気になりました✨ コラボで展示されていたたみーちゃんの日傘は実物で見るとまた素敵です✨ 色柄合わせの妙を楽しめました(*´∇`*)♪ たみーちゃんに会えたし、行かれてよかったです!
親子で一緒に作品展ができるなんて素敵ですね!これからも頑張ってください!
作品の陶胎漆器は、陶器に漆を塗って加工する珍しい技法で作られています。 タミーさんのお母様はとても丁寧に作品の説明をして下さり、パワフルで楽しい方! 作品はどれをとっても個性豊かな色味で素敵でした♡ 作品展の協力作家としてタミーさんも着物日傘を数点展示。 どの日傘も粋で華やか。 タミーさんならではの柄合わせだなぁと惚れ惚れ😍 今回の個展場所は奈良町という素敵なロケーションと「ならまち格子の家」という趣のある町家で行われました。 そんな素敵な場所でのお二人の和の共演は素晴らしかったです♡ お二人のこれからのご活躍が益々楽しみでなりません❣️
オリジナリティー溢れるパワフルな作品たちでした。土が半乾きの時に、土を彫り最後に漆で仕上げる。とても難しく、珍しい技法だそうです。 「陶胎漆器」って初めて聞きました! 民ちゃんのお母様のパワフルなご説明に私たちも、興味深く耳を傾けました。御自身の作品にとても愛着をもってらして、素敵だな~と感じました。 民ちゃんのフィンランド帰りの傘は やはり貫禄の輝きを放ってました😊✨
着物がこうやって日傘として蘇るのは、うれしいことですね。アイデアがすばらしい。私も何か作ってみます。
ピカピカに磨き上げられた古民家と和の芸術作品✨ 見事に美しい空間を作り上げていました。 お母様の陶胎漆器、漆で色付けされた焼き物、初めて出会いました。お母様、丁寧に丁寧に 技法や作品愛を語って下さいました☺️ 物静かなタミーちゃん 娘とお母様とのコラボ、微笑ましく そして美しかったです💖 一見対照的なお二人、作品への情熱と髪型が同じでした😆💕
ズラリと並ぶ陶胎漆器。焼き物とは思えないカラフルで遊びこころある作品の数々。民緒さんのリメイク着物日傘 写真家さんのお写真と 空間を清浄するかのように様々な作品が調和をもって飾られていました。傘の方は苦労されながらお着物の柄を組み合わせられ一つ一つ丁寧に色合い、図柄などをインスピレーションで? 合わせられているのでしょうか…? 真心がこもった 温かい傘の数々でした
まさかのサプライズご訪問!うれしすぎて感激しました♡



今回、会場のロケーションが近鉄奈良駅から徒歩20分と結構あり、「興味はあるけれどちょっと遠い…」と言ってくれたお友達もいて。
奈良は近鉄奈良駅周辺が1番にぎやかで、それから観光スポットの奈良公園や東大寺、国立博物館などが点在しています。
その中で会場のあったならまちは、にぎやかな場所を離れた静かで落ち着いた小町になっていて、言い方を変えると、結構マニアックな場所なんです。
だから、駅周辺や有名観光地とは訪問客の雰囲気も異なります。
そんな場所に沢山の方がわざわざ足をお運びくださって、本当に感謝してもしきれません。
奈良県外から関西圏、それ以外にも千葉や神奈川、石川、そして…岐阜からも。
実はちょうどオーダー頂いていた岐阜のお客さまの日傘が、作品展の少し前に完成したので、「遠いけれど、良ければいらしてください」と作品展のご案内も同封しておいたのです。
ご案内を入れておいて…なのですが、まさか来てくださるとは思いもよらずで。
なので、会場でお客さまのお着物姿をお見かけした時、本当にびっくりうれしくて!
だって、私がお作りした日傘の生地と同じ生地の泥除けを着ていらしたんです。
しかもお客さまの手には、数週間前にお送りしたはずの日傘が!
初めてのご対面で感激しました。
遠く岐阜から、旅行の予定を組んで、わざわざこの作品展のためにご夫婦でお越しくださったんです。
私を知ってくださったきっかけは、検索でこのCasa de Paraguasのホームページにたどり着き、さらにインスタグラムを見て頂き、着物日傘と私自身に興味を持ってくださったことからでした。
「是非柴田さまの着物日傘を手にした私のこの嬉しさ、幸福感、もっともっとインターナショナルに世の女性方に教えて差し上げて下さいね。 陰ながらではありますが、主人とわたし、ふたりで今後も応援致しております。」と言って下さいました。
3枚目の画像は、オーダー頂いた日傘の柄のアクセントに入れた羽織生地に関連するグッズ写真です。
その羽織生地は、元々はお客さまのお母さまのもの。
以前数寄屋袋その他を作っていただいた余りの生地なのだそうです。
その数寄屋袋の裏には、お祖母さまが生前何かを解いて作ってくれた子供用の長襦袢が使われています。
お母さまを含めたその四姉妹、そして最後はお客さままで愛用した大好きだったバンビちゃん柄の長襦袢地だとのこと。
素敵な集合写真ですよね!
普段オーダー頂くお客さまとは、メールのみでのやり取りになることが多く、面識のない方も多いのですが、こうやって大切な時間を割いてわざわざ私のところに会いに来てくださったこと、本当に奇跡のような神さまからのギフトだと思っています。
皆さんとの出会いの1つ1つが、私の宝物です。
Tさま、そしてお越しいただいたすべての皆さま、この度は私たちの作品展にお越しくださり、本当にありがとうございました。
それから会場スタッフの皆さま、母の個展に協力してくださった北室静規さんをはじめとする関係者各位の皆さま、作品展終了まで伴走してくださりありがとうございました。
そして、母へ。
厳しいことや無理難題も沢山言って、母を困らせてしまったかもしれないけれど、一緒に作品展ができて、とてもいい経験になりました。
私にこんな素晴らしいチャンスをくれてありがとう!
作品展が終わった今、次の目標に向けてまた進み始めます!
さて、目標にしていたこのたびの作品展は、とうとう終わってしまいました。
「次はパリ個展だな!」と早速息子が冗談で言っていましたが(笑)
パリでの個展は、私の一生かけて叶えたい夢であり、まだゆっくりと時間をかけて温めていきたい夢だから、その夢は、次の、次の、次の、次の、次あたりの夢かな!?
目下の目標は、来年あたり、今度はまた何か海外に世界が広がるような美術コンテストに着物日傘でチャレンジしてみたいと思います。
そして、ライフワークにしているリメイクの素晴らしさ、自分の作品にかける想い、日本のいいところ、作家として英語でもっと世界中の皆さんとお話してみたい。
だから、英語学習をもっと頑張りたい。
素敵な作家さんとコラボ作品を作ったり、個性的な着物リメイク雑貨も海外販売してみたい。
そしてそして1番はやっぱり、お客さまの思い入れのある着物を、リメイクで日傘に甦らせることのできる日傘のオーダーメイド事業にエネルギーを注ぎたいです。
オーダーは年中受け付けていますが、シーズンオフの今だからこそ、ゆっくりと落ち着いてお客さまのオーダーに向き合うこともできるメリットもあります。
という訳で、今このブログを読みながら、
「私ももしかしたら箪笥の中に気になっている古い着物があるかも!?」と思ったら、この3連休の中で時間を見つけて、ちょっとその開かずの箪笥を開けてみませんか♪
どんな着物が日傘に適しているのか迷ったら、日傘にオススメの生地について書いている
以上、イベント開催レポでした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。
なお、今オーダー頂きますと、仕上がりは最短で2020年1月末を予定しています。
1Dayレッスンでしたら作った日傘をその日にお持ち帰り頂けます。
なお、当店はオーダーメイドだけでなく、着物日傘の完成品やリメイク雑貨なども、少しだけですがオンラインショップにて販売しています。
完成品なので、もちろんすぐにお使い頂けます。
オンラインショップで販売している商品は、着物をリメイク制作した私のオリジナル作品のため、すべて世界にたった1つしかないものです。
そのため、完売しましたら、同じものの再販はありません。
お時間ありましたら、ぜひ1度Online shopもご覧くださいね!