
CASAリメイク作家のTammyです。
とても素敵なぼかし染めリバーレースをプロデュースされたテキスタイルデザイナーさんがいます。
その方から、先日そのレースを使って日傘制作をお願いできないか、とお問い合わせを頂きました。
レースが昔から大好きな私は、もちろん2つ返事で「喜んで!」です。
ただ、やはり実際にそのレースを見せて頂かないと、具体的なご提案ができません。
レースだけだと透け透けになってしまうので、どんな生地(下地)と合わせるか。
そのレースの伸び具合は?(日傘は多少伸び縮みする生地がベスト)
また、そもそもどんなイメージの日傘をご希望されているか、などなど。
メールや電話、オンラインでの打ち合わせも便利だけれど、百聞は一見に如かず。
まずは、そのデザイナーさんのアトリエに赴いて、お打ち合わせをすることに。
今日は彼女のアトリエでの打ち合わせの様子など、これから始まるワクワク日傘ミッションの第1弾レポをしていきますね♪
産業デザイナー歴34年!?年齢不詳のパワフルウーマン現わる☆

お招きいただいたのは、テキスタイルデザイナーのカワチクミコさんの大阪市内にあるアトリエ。
コロナの感染予防のため、打合せはマスク着用のお写真のみですが、向かって右がクミコさん。
マスクしててもわかるくらい、お肌ツヤツヤですよね!?
でもね、私よりこれまできっと色んな経験をされてきた人生の大先輩。
第一印象は、天真爛漫で明るいオーラに包まれている方。
初めましては確か数年前、共通の友人が出演するイベントに一緒に出演されていた時かな。
のびのびとお日さまの下で歌を歌われたり。
にぎやかにみんなでアフロつけて踊ったり!?(笑)
産業デザイナーを34年もされてきたのもあるけれど、プライベートでも表現のかたまりのような方。
ひらめきですぐに行動に移したり、「うれしい」や「楽しい」をお顔や全身で素直に表現されるんです。
大人になると、どうしても理性や恥じらい、見栄などが勝って、感情をストレートに外に出せなくなりませんか。
私は口下手なのもあり、自分の気持ちを言葉や態度でうまく伝えられないことがあります。
だから、こうやって文字や写真の力を借りて、自分を表現することをしてきたのもあり。
私がよく人から言われるのは、「静かなる闘志を秘めているよね」とか、「実は熱い人なんだね」とか。
私が「静」だとすれば、彼女は「動」かな。
性格は真逆かもしれません。
そんな2人が共通するものは、布やレースが好き。
アプローチは違っても、表現することが好き。
クミコさんのアトリエには、クミコさんのこれまでのテキスタイルデザイナーとしての歴史と「好き」が詰まっていました。
今までにデザインされたさまざまなレースやリボンを見せて頂きました。
どれも手が込んでいて、美しくて、時間が許せば、ずっと眺めていたいくらいでした♡
売れるものではなく、目の前の人が喜ぶものを作りたい
具体的な日傘の話に入る前に、彼女が話してくれたこと。
それは、なぜクミコさんは34年ものキャリアを築いてきた会社勤めの産業デザイナーをやめ、「DREAM ON Textile」というオリジナルブランドを立ち上げ独立したのか。
30年以上勤め続けた会社員時代の苦しい葛藤をようやく払しょくし、昨年2020年初夏にブランドを立ち上げるまでに。
でも、会社勤めであれば、安定収入があり、自分のスキルを活かし、経験を積むことができますよね。
主婦の独立起業は、今でこそハードルは下がってきてはいるものの、やはり現状は厳しく、3年以内の廃業も多い。
なぜそのタイミングで、敢えて先が見通せない大変な方に舵を切ったのでしょうか?
「私は世の中のトレンドを常にリサーチして、仕事だからと売れるものばかり作ってきた。
けれど、結局それを誰が買って、使ってくれているのかがわからない。
一生懸命デザインしても、トレンドのサイクルは早くて、すぐに廃れる。
それよりも、目の前の人が、私のデザインしたものを身にまとい、喜んでくれて、幸せな気分になってくれる。
そんなテキスタイルをデザインしたい。
使い捨てされない、ずっと大事にしておいてもらえるものを作りたい。」
そんなふうにおっしゃっていました。
クミコさんのモノづくりへの熱い想いを、7分ほどのショートムービーにしたそうです。
私が聞いたお話も含まれています。
日傘づくりの本題に入る前に、良かったらクミコさんのブランドの紹介動画で予習お願いします♪
リバーレースって何のこと?
ところで、「リバーレース(Leavers Lace)」って何のことかご存じでしょうか?
かくいう私も、リバーレースって名前は聞いたことがあるけれど、リバーって川のこと?それとも作った人の名前なのかな?ぐらい。
レースと一口に言っても、リバーレース以外に、刺繍レースとか、ラッセルレースとか色々あるみたい。
レースは見ための優雅さや可愛らしさが好きで、作品やインテリアに使うことも。
でも、まったく詳しくはなくて。
リバーレースとは、
縦糸緯糸絡み糸で作られるレースで、専用の機械で作られています。
とはいえ、人が手作業で関わる部分が多く、非常に時間と手間がかかり、技術力が必要な職人技であることから、レースの中でも特に高級品なのだそう。
レースといえばフランスのイメージがあるけれど、クミコさん曰く、リバーレースの発祥はイギリスで、ジョン・リバーさんが機械を発明したことから、リバーレースと名付けられたとのこと。
古くは産業革命の時代に始まり、リバーレースを作る職人は、国の財産として扱われ、簡単に国外に出ることも許されなかったらしい。
レースといえば、元々は手工芸だったので、貴族しか手に入れられない高級品だったけれど、産業革命でレースも機械製造が可能になり、だんだんと貴族だけのものではなくなってきたのだとか。
それでも、リバーレースは他のレースに比べ、今でも高級品。
現在リバーレースは日本国内メーカーのものもあれど、特殊なリバーレース専用製造機を所有している会社は希少で、かつ国内製造だと単価がかかりすぎてしまうことから、今は全工程を日本で作っているところはなく、海外製造に移行されているそうです。
リバーレースとラッセルレースは、見た目がよく似ていることから、レースにかなり詳しい方でないと、本物のリバーレースかどうかをすぐに見分けるのは難しいんだって。
ちなみに、ラッセルレース(Raschel Lace)とは、ラッセルレース専用機で作られたレースのことで、糸を編んで模様を作れ、大量生産が可能。
つまり、市場に出回っている多くの安価なリバーレースに似たレースは、ラッセルレースの可能性が高いんですね。
お話頂いた中でのざっくりとした理解なので、一部誤解もあるかもですが。

こだわりのリバーレースを日傘に仕立てるには?
こだわりのリバーレース、幅は約90センチほどあり、強度もかなり丈夫なので、生地のようにして日傘を仕立てます。
もちろん、リバーレースだけだと細い糸だけがむき出しになっている部分が多いため、下地に重ねます。
そのリバーレース、ベースは真っ白ですが、そこにクミコさんの感性で、色の配置を決めて。
そのデザインで染色工場に特注して、インクを手作業で染め付けをしてもらったのだとか。
ベースのデザインが同じでも、色合わせが変わるだけで、表情が全然違ってくる面白さ。
暖色系、寒色系、色とりどりの虹色、色んな組み合わせのレースを見せて頂きました。
1つ1つに可愛らしいお名前を付けているそうで、そんなところにもクミコさんのレース愛が見えました。
どれも本当に水彩画のように繊細で美しくて、うっとりです。
日傘にしたらどんな仕上がりになるのか、持ってきた日傘に当ててみました。

数種類のカラーのレースを、1本の日傘に盛り込むのもあり。
そして、下地を何色のどんな素材にするのかでも、仕上がりの印象が変わってきます。
ああでもない、こうでもない、と2人で試行錯誤して、ようやくこのカラーのリバーレースがいいなぁと落ち着きました。
日傘は主に春から秋の始めぐらいまで使う季節ものなので、涼しげな印象のブルーをメインに、差し色にピーチのようなピンク色が入ることで可憐な可愛らしさがあります。
私も1本、私用に欲しいくらい素敵です♡

主役のリバーレースは決まったものの、あとの資材はこれからクミコさんに探してご用意して頂き、それからいよいよ制作スタート。
という訳で、完成まではまだまだ時間はかかりますが、また時々進捗状況などご報告していきたいと思います♪
クミコさん、先日は素敵なアトリエにお招きいただき、とても楽しく幸せな時間のプレゼント、どうもありがとうございました。
レースが美しすぎて、幸せ気分で、女性ホルモンも活性化した気がします♡
きっと素敵すぎる日傘になること間違いなし☆
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
DREAM ON Textileについての基本情報
最後に、クミコさんのサイト等のご紹介です。
ホームページは制作途中のようですが、ブログやFacebook、インスタグラムなどで最新情報をご確認できます。
メールやDM等でコンタクトを取ることも可能です。
ご紹介のリバーレースを使ったストールやお着物などをオーダーメイド制作することもできるそうです。
ご興味あれば、クーミンことカワチクミコさんに直接お問い合わせしてみてくださいね♪
「DREAM ON Textile」
- オフィシャルサイト https://waku-waku-kumin.jimdofree.com/
- ブログ https://ameblo.jp/waku-waku150/
- Facebook https://www.facebook.com/waku.waku.dreamon.kumin
- インスタグラム https://www.instagram.com/dream_on_textile/
- メール wakuwakugo150@gmail.com
以上、素敵な人やモノのご紹介でした。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

Casa de Paraguasの日傘は、
<「リメイク」というひと手間の魔法で、想いをカタチに>
という理念の下、託してくださった方に寄り添い、作り手の顔が見えることを大切にしながら、1本1本時間をかけて手作りしています。
お客さまにとって、「世界に1つの宝物」のような、「愛おしい子ども」のような存在になることを願っています。
「こんなもので日傘って作れるのかな?」
「こういう日傘があったらいいな」
お客さまが作ってほしい日傘のイメージに、できる限りやわらか頭で対応します。日傘のこと、お気軽にご相談くださいね。
なお、当店はオーダーメイドだけでなく、着物日傘の完成品やリメイク雑貨なども、少しだけですがオンラインショップにて販売しています。
完成品なので、もちろんすぐにお使い頂けます。
オンラインショップで販売しているリメイク商品は、着物をリメイク制作した私のオリジナル作品のため、すべて世界にたった1つしかないものです。
そのため、完売しましたら、同じものの再販はありません。
お時間ありましたら、ぜひ1度Online shopもご覧くださいね!